静岡の人・乗りもの・遊び WEB連動型マガジン

静岡の人・乗りもの・遊びWEB連動型マガジン Vehicle ヴィークル

乗りものを楽しむ「人」マガジン


「マッハⅢ」のⅢは「3気筒」を意味するものであり乗り手を選ぶ「ジャジャ馬」マシンだった。

 少し緊張しながら待ち合わせ場所である「真富士の里」で待っていると、それまで静かだった山間に遠くマッハ独特の金属的なエキゾーストノートがこだましてきた。
 通りに出てそちらの方向を注視していると遠くから今では滅多に見ることがなくなったオートバイ達が、白煙と共に次々と駐車場に入ってきた。その圧倒的な存在感にある種の興奮を覚えた。荒々しく、そして美しい。
 「静岡マッハの会」は今では希少となった2ストローク3気筒のこのバイクをこよなく愛する人たちの会だ。そしてマッハを大切に維持し、後世に繫げていく活動をしている会でもある。
 毎週日曜に天気さえ良ければこうして集まり、バイクの調子を確認したり情報交換をしたりしている。
 

「ジャジャ馬・マッハ」

マッハⅢは当時「常に世界最高速」を意識していたカワサキが、「パワー至上主義」の北米のニーズに合わせて開発された2ストローク3気筒エンジンを装備したバイクである。しかしながら、絶対的な高加速・高出力性能を持ちながら、操縦性においてフレーム強度やブレーキ性能に不安を持ち、少ない前輪荷重なども災いして、万人向けとは決して言えず、他社種に比べ高い事故率を示したことから、乗り手を選ぶバイク「ジャジャ馬・マッハ」というイメージが定着してしまった。
 更に燃料とオイルの過大な消費と猛烈な白煙と騒音など何かと話題に事欠かないバイクでもあった。
 マッハⅢ(H1)はその強烈な加速性から欧米で好評を博したが、やや遅れてホンダCB750が発売されると、次第に人気を奪われるようになり、最終的には1976年の排出ガスと騒音規制に対応する手立ても乏しく、後継のZ650(ザッパー)が発表になった段階で1977年モデルをもって製造を終えることになる。
 時代の波に翻弄されたマッハだが、2サイクル3気筒のこのバイクには現代のバイクに無い「魅力」がたくさんある。是非これからも大切に受け継いで欲しいと思う。

500SSマッハIII (H1) 1969年式
【エンジン】498.7cc KAE 型(空冷2ストロークピストンバルブ並列3気筒)内径x行程 / 圧縮比 60mm x 58.8mm/ 6.8:1【最高出力】60hp / 7,500rpm【最大トルク】5.85kg-m / 7,000rpm
【乾燥重量】174kg

GO TOP